重賞見解コラム&回顧コラム

2024/05/15 08:00:00

オークス【適性解説・注目馬】重賞見解コラム

〇適性解説 東京2400mで行われる3歳牝馬限定戦。この時期の牝馬に2400mは非常に苦となる中距離戦となる。その影響で、この舞台では差し追い込み馬の活躍が非常に目立っており、過去10年の勝ち馬のうち9頭が中団後方からの差し馬となっている。 過去10年の脚質別成績 逃げ(0-0-0-10) 先行(1-5-1-29) 中団(7-3-8-63) 後方(2-2-1-45) また、近年はコナコースト、ペリファーニア、ウォーターナビレラ、ソダシなど、桜花賞好走組の凡走が続いているが、これに関しては京都開催休止中の阪神が、ロング開催を見据えた馬場の作りをしていたであろう関係で、馬場が高速化→内有利のバイアスが強く出たことにより、通常の桜花賞で求められる瞬発力よりも短距離質な追走力が求められたことが関係している。 つまり、追走力を武器に桜花賞を好走した馬が、体力+末脚という真逆な適性が求められたことが大きな要因となっていた。 ただし、今年の桜花賞は追走力特化ではなく、本来のような末脚勝負(上り性能重視の馬場)となっており、近年以上に桜花賞の上位組は警戒必須。特にマイルで忙しく差し遅れた馬は、距離が伸びて追走が楽になる+差しが決まりやすいオークスは条件が一気に良化するので特に警戒したい。 〇注目馬 ①スウィープフィート 気性的に難のあるタイプだが、武豊騎手に乗り替わってから安定。 チューリップ賞は道悪+ハイペースの恩恵こそあったが、前走桜花賞では最後方からの追い込みで4着。内容的にも、追い出しスムーズだったライトバックに対し、直線入口でライトバック被され外に出せず、詰まりながらも最終的に0.2秒まで詰めた内容は非常に強いと言える。 追走力的に延長は歓迎なので、初の長距離輸送さえ熟してくれれば一発の可能性は十分に秘めている。 ②ライトバック 新馬戦は相手関係が低調だったとはいえ、ドスロー前有利展開で追い出し詰まりながらの差し切りは強い内容。 アルテミスSではチェルヴィニアに0.6秒の4着と差は見せられたが、レース前からテンション高くレース中でも折り合いを欠き通しての、上り3F3位の脚で4着と考えれば十分な内容だったと言えるし、桜花賞では差し競馬で7人気3着と穴を開けている。 桜花賞以上に追走力が求められずらく、差し追い込み馬向きになるオークスは桜花賞以上に条件が良くなる可能性あり。 課題としては、長距離輸送のあったアルテミスSでテンションが上がっていたので、当日の気配は注目したい。

ライター:馬ノスケ